医療法人になるとメリットがたくさん? 個人事業の法人化 

医療法人になるとメリットがたくさん? 個人事業の法人化

個人事業でクリニックを開業する場合、資金を借り入れることは珍しくありません。

そして借入資金の返済が終わった後に、法人化を検討している方も大勢いるでしょう。
法人化には、相続対策が打てたり将来別の医師に事業を承継できるようになったりなど、さまざまなメリットがあります。
ここでは、クリニックを医療法人化することのメリットをご紹介します。

適正な医業経営が実践できるようになる

法人化すると、預金等が医療法人の運営費として利用されるようになり、理事長の家計費などが、役員報酬として賄われるようになります。
個人事業主は事業用の口座から個人の口座に移しても給与とは判断されず、ただの資金移動と判断されます。

そして、家計のやりくりのために事業の口座から引き出したお金は、その都度記録を残しておかなければなりません。
また、いくら引き落としても問題はないため、家計も事業も管理しにくいというデメリットが個人事業主にはあるのです。
法人化することで、家計と経営を分離して考えられるようになるため、資金繰りがしやすくなります。

節税対策になる

個人事業の場合、法定実効税率は55%(最高税率)ですが、法人化することで税率が約34%になります。
法人化すると所得は、理事長報酬という給与扱いになるため、所得控除が適用されるようになります。

また、理事長の家族に所得分散することが簡単にできるようになります。
所得を分散することで、個人の所得税・住民税の税率を下げることが可能です。
所得分散は、家族が役員として医療法人の運営にかかわっていることがポイントとなります。

退職金を受け取れる

個人事業の場合、経営者とその配偶者も退職金を受け取ることができません。
法人になることで、月額給与・勤続期間・功績倍率から計算された退職金を受け取ることができるようになります。

生命保険料を費用として計上できる

個人事業主の場合、生命保険の保険料は10万円までしか所得控除を受けることができません。
法人となり、生命保険の契約者を法人、被保険者を役員、保険金受取人を法人とすることで全額を法人が負担する形式の契約を結ぶことが可能です。
このため、個人での資金繰りが楽になります。

事業承継がしやすくなる

事業承継がしやすくなる

個人事業の場合、院長が亡くなると相続問題に発展することが多いです。

また、クリニックの廃止手続きをした後、再度開設手続きをしなければ継ぐことができないので、簡単に承継できません。
法人化すれば資産は法人名義となるため、クリニックの新たな後任者を選任することでき、比較的に容易に承継が可能になります。

また、理事長が死亡したり、怪我や病気などの理由で経営業務が行えなくなったりした場合は、一時的に配偶者などが理事長に就任することができ、正式な理事長を決めるまでの猶予が生まれます。

法人化することには、繰越損金の繰越期間が長くなることや、社会保険支払基金の源泉徴収がなくなるというメリットもあります。
さまざまな点から資金繰りや経営がしやすくなるでしょう。
税理士などと相談しながら、法人化を計画することをおすすめします。