事業主の消費税の納税義務とは? 消費税と納付義務について
事業主になると、ただ個人に発生する消費税を支払うだけではなく、納税をしなければいけません。
しかし、税金の仕組みをきちんと理解していないと、消費税が免除される機会を逃してしまうことも考えられます。
ここでは、消費税の基本的な仕組みと、納税義務が発生する条件や免除の内容などについてご紹介します。
事業主にとっての消費税
一般の消費者の場合、消費税はサービスを受けたり物を購入したりすることに対して発生し、「支払う」ことになるものです。
しかし事業主になると、消費者が支払った消費税を、税務署に申告し「納付する」という義務が発生するのです。
消費税の基本的な仕組み
消費税は平成元年4月より導入されています。
基本的な仕組みは以下の通りです。
■課税対象となる取引
・個人事業主が事業として行う取引
・商品の販売や資産の貸付、サービスの提供を行う取引
・日本国内で行われる取引
以上の取引が課税対象となります。
日本から輸出する場合は輸出免除となり、消費税が免除されます。
納税義務はどうやって判定される?
個人事業主は国内で行った課税資産の販売などについて消費税の納税をしなければいけません。
しかし小規模事業者の場合、納税事務負担への配慮などから一定規模の事業者には納税の義務が免除されます。
■納税義務の免除
課税期間にかかわる課税売上高が1000万円以下の場合は、納税義務が免除されます。
免除された事業者を「免税事業者」と言います。
免税事業者になるかどうかは、前々年度の売上によって決まります。
つまり2年前の事業年度が基準となっているのです。
また、前年の売上の影響も受けます。
前々年度の課税売上高が1000万円を下回っていても、特定期間(前年の1月1日から6月30日)の課税売上高あるいは、給与支給額が1000万円を上回った場合は、課税対象となるため注意が必要です。
・初年度は免税事業者となる
営業を開始した年は前々年度の売上がありません。
このため新規の事業者の場合、初年度は消費税の申告や納税は不要となります。
また、年の途中に事業スタートした場合、たとえば8月から営業を開始した場合は8月~12月が事業年度として計算されます。
節税にもなる? 簡易課税制度
簡易課税制度とは課税売上高が5000万円以下の事業者が利用できる税金の区分です。
仕入れにかかる消費税額を細かく算出する必要はなく、課税売上に対して一定の割合をかけて納税額を算出することができます。
計算式
『 納付税額 =( 課税売上高×消費税8%)-〔(課税売上高 × 消費税8% )× みなし仕入れ率 )〕 』
・みなし仕入れ率
事業種ごとに、簡易課税を計算する値が定められています。
第1種事業:卸売業(90%)
第2種事業:小売業(80%)
第3種事業:製造業、建設業、熱供給業など(70%)
第4種事業:飲食店業、1・2・3・5以外の事業(60%)
第5種事業:運輸・通信業、サービス業(50%)
第6種事業:不動産業(40%)
第6種事業:不動産業(40%)
税金の計算や手続きは非常に手間が掛かるものですから、事業をスタートして間もない間は簡易課税制度を利用するとよいでしょう。
事業主の方は以上に紹介した基本的な仕組みから、税金の計算方法や、利用できる制度について詳しく知っておくようにしましょう。
節税対策につながります。